AngelBeats!

コラム - リレーコラム AngelBeats!よもやま話

皆様、はじめまして。
「Angel Beats!」プロデューサーをしておりますアニプレックス鳥羽と申します。

さて、このリレーコラム企画ですが、思いついたのは自分ですので、まずが言いだしっぺが
書かねばいかんだろうという事で、トップバッターを務めさせて頂くことになりました。
今後、このプロジェクトに関わって下さっているスタッフのみなさんにも寄稿してもらう予定ですので、是非楽しみにお待ち頂ければと思います。
どうか宜しくお願いいたします。

まずは、この企画「Angel Beats!」の始まりのお話をしようかなと思います。
話の発端は、G'sマガジン編集部さんにアニプレックスと一緒にオリジナル企画を立ち上げましょう!
という話を持ちかけた事からでした。
その時点で、僕は何とか麻枝さんと一緒にアニメを作りたいとずっと思っていたので、
「このチャンスを逃したら一生後悔する!」という思いのもと、G'sさんに麻枝准オリジナルアニメ企画として提案をし続けました。元々Key作品を誌面で取り上げることの多かったG'sさんも、この提案にとても乗り気になって下さって、G'sさんの紹介で麻枝さんにプレゼンに伺ったというのが、この企画の始まりでした。
2006年春頃のお話です。
こうして、G'sさんの紹介で僕の心の神様・麻枝"GOD"准との邂逅(であい)が実現したわけです。
神が光臨した場は、"聖地"ビジュアルアーツさんの会議室 in Osaka。麻枝さんとシナリオアシスタントの藤井さんのお二人が出席されました。
実は、この時点から何を話したかは、ほとんど覚えていません。ただただ舞い上がってしまってました。
とにかく自分がどれだけ鍵っ子で、麻枝さんのシナリオが大好きかという事と延々と4~5時間くらい話して、仕事の話はほとんどしてなかったらしいです。(同席していたG's副編集長さん談)
そんな僕の少々行き過ぎた思いが通じたのか、麻枝さんは、なんとその場でOKをして下さいました。
本当に涙が出そうな瞬間だったのは、覚えています。
以前、この頃の話をした時に、麻枝さんも「あの時は、鍵っ子が知りたがっていた事を全て話してきましたよ」
と懐かしんでいました。あの日が全てのスタートでした。それから既に3年以上経っている企画なのです。
この3年間色々ありました…作品の方向性で麻枝さんと意見をやりあった事もありましたし、制作スタジオが決まったときは二人で大喜びしましたし、アニメスタッフとの始めての合宿では皆がヘトヘトになったりもしました。まだ道半ばにも関わらず、今までのことを思い出すだけで泣いてしまいそうです。
山王戦で試合中に泣いてしまった赤木の気持ちがよく分かります。
つまり、長い間こんなにも沢山のことをやってきた企画なのです。

今は、脚本の最後の追い込みに入っています。12話、13話と最大のクライマックスの決定稿がもうすぐ完成します。そうしたら、脚本作業は終了です。3年以上麻枝さんと二人三脚で進めてきた作業もここで一区切りになります。
もちろん、アニメ制作としてはこれからが本番なわけで、スタジオの方では既に作画作業の真っ最中ですし、音楽の方も主題歌・挿入歌などがどんどん上がってきます。もはや、誰も息つく暇の無い状態で、完成に向けて猛進中です。僕自身、ここまで色々な要素を徹底的に練りこんだ企画は初めてです。ですので、本当に1ファンとしても、出来上がりが楽しみですし、スタジオさんから上がってくるデザインやビジュアルを見ては麻枝さんと一緒にテンションを上げてます。
麻枝さん脚本のオリジナルアニメという事でスタートしたこの企画が、監督をはじめとする沢山のスタッフさんの力が加わって、ついに1つの作品として形が出来始めています。
僕自身も、プロデューサーとして、宣伝やビジネス面の構築作業の真っ最中です。

ずっとKey作品をやってきた鍵っ子としてお伝えしますと、本当に皆さまの期待を裏切るような事は決してないと思います。泣き・日常ギャグ・キャラクターの魅力全てが組み込まれた傑作です。
まだまだ、皆様にお出ししている情報は少ないですが、30日発売のG'sマガジンを皮切りに制作スタジオや監督が発表され、麻枝さんによるSSも連載開始されます。そこからは、色々な情報をどんどん出させて頂きます。今後とも、「Angel Beats!」をどうか何卒宜しくお願いいたします。

最後に――これは後から聞いた話なのですが、麻枝さんは僕と会うまではこの企画の話は断るつもりだったそうです。それが、あの顔合わせの時の僕が必死になって語っている話を聞いて、その場で考えを変えて引き受けることにして下さったそうです。
物事の全てが愛や熱意で何とかなるほど世の中は甘くないですが、信じていれば、たまにはこういう事が起きてくれるように世界は出来ているみたいです。

アニプレックス 鳥羽洋典

※第2回リレーコラムは10月15日に掲載予定です。

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